夏越大祓
大祓ってなに?
今年もはや半年が経ち、下半期がスタートしました!予想外のコロナウイルスとの戦に世界中が揺さぶられ、「いままで」と新しい「これから」について見つめ直す方が多かったと思います。まだまだ収束するまで長い年月が必要ですが、一先ずこの半年間「本当にお疲れ様!」と自分や周りを存分に労いましょうね!
そして、このタイミングで「大祓(おおはらえ)」と言う神事があるのも、一つの区切りの様な気がしてなりません。大祓とは、あらゆる穢れや過ちを祓う浄化の儀式です。特に6月と12月の晦日に行われる儀式をこの様に呼びます。1年の半分を無事に過ごせた事に感謝し、身に付いた穢れを浄化して、清らかに次の半年を過ごせますようにと祈りを込めて行われます。また、神様の前で唱える祝詞(のりと)の中でも、最も浄化の力が強いとされる「大祓詞(おおはらえのことば)」が奏上されます。
大安日に準備完了!
6月の終わり頃、神社に行くと大きな草の輪が本殿前に建てられているのを見たことはありませんか?これは、「茅の輪(ちのわ)」と呼ばれ、ここを八の字に左右計3回くぐると無病息災が約束されると言い伝えられています。熊野那智神社では、6月27日の大安吉日に役員さんたちのご協力を得て、茅の輪を無事設置いたしました。竹で土台を作り、青々とした茅(ちがや)をくくりつけて完成!
浄化の雨が降った本番当日
熊野那智神社では、6月30日14時と16時の2回に分けて夏越大祓が執り行われました。14時の回からパラパラと雨模様。あらゆる穢れを浄化する水がここで出現するのも、自然からの贈りものかもしれませんね。16時前はその水パワーもどしゃぶりと最高潮に達し、外での御祈祷を諦めていましたが、16時ちょうどに見事ぴたりと止みました。「神様はやっぱり、ちゃんと見てくれているな」と感じずにいられない瞬間です。
「水無月の 夏越の祓 する人は 千歳の命 延ぶというなり」
=(6月の夏越大祓をした人は、寿命が千年にも延びると言われている)
平安時代の和歌集『拾遺和歌集』では、この様に詠われている夏越大祓。古来よりその言霊を信じ、地域ごとに風習を変えて今でも親しまれている神事です。諸説ありますが、梅雨が明けこれからの猛暑を乗り越えられますようにと、また、家事に十分な水が使えず雑菌の繁殖を恐れていた当時、疫病予防の祈りを込めて行われたとも言われています。後者は今この状況にぴたりと当てはまりますね。本番当日は雨にも関わらず、多くの方々にお集まりいただきました。2020年も残り半年。みなさんが疫病に負けず、心身ともに清らかな状態でこれからの半年を過ごせますように。
執筆者
なぎの会HP管理人のacoです。香水づくりとWebライターとして日々奔走中の関西人。なぎの会の活動内容や神社の歴史をお伝えします。noteでは、好きなこと・日々のことを綴っています。
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