熊野那智神社 夏季例祭のお知らせ
7月も終わりに近づき、暑い夏が本格化してきました。コロナに加え豪雨が降り注ぎ、下半期も厳しいスタートとなりましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。まだまだ事態の落ち着きは見えませんが、時にゆっくり深呼吸して心は平穏を保ちましょうね。
さて、もうすぐ夏の本番・8月が始まります!夏と言えば、花火、ゆかた、風鈴、スイカ、蚊取り線香、海水浴、BBQ。風情と楽しみが溢れていて日本の夏はいいですね。そして、何より学生さんは夏休み、社会人の方はお盆休みが待ち受けています。今年は思うように移動したり、旅をするには難しいかもしれませんが、休みの少ない日本社会では貴重な時間なので、できる範囲で楽しみましょう。
夏ワードを書き連ねましたが、あれ?何か一番ヒットするあの行事を忘れてない?そうです、夏の風物詩「お祭り」です。毎年この時期になると、日本各地で育まれた様々な風習を基にたくさんのお祭りが開催されていますね。ここ、熊野那智神社でも7月26日(日)に夏祭を開催いたします。
羽黒飛龍大神が高舘山に
はるか昔、名取の地に治兵衛という一人の漁師が暮らしていました。ある日の早朝、治兵衛が漁に出ると海底に何か光るものを見つけ、網を投げると筏(いかだ)が引っかかりました。藤の木で編まれたその筏の中には、なんと御神体が抱かれていたのです。治兵衛はその御神体を家に持ち帰り、朝晩欠かさず毎日祈りを捧げました。
治兵衛と御神体が出会ってはや3年が過ぎた頃、閖上より西の山並みに、いくつもの火が連なった龍燈(りゅうとう)と呼ばれる灯が見えるようになりました。驚き、不思議に思った治兵衛や漁師仲間が神様にお告げを求めると、「我羽黒飛龍の神なり」と返ってきたのです。そして、龍燈が光った先の高舘山に社殿を建て、御神体として羽黒飛龍大神(ハグロヒリュウノオオカミ)をお祀りすることになりました。これが、熊野那智神社のはじまりです。
熊野那智神社の夏祭
こうして今から約1300年前に、閖上から高舘山に羽黒飛龍大神が登って来た日にちをご縁日として、毎年熊野那智神社では7月に夏祭を開催しています。約20年に一度は、御神体の里帰りとして神輿を海浜に御幸する「浜降神事(はまおりしんじ)」を行い、名取市を横断し最終地の閖上まで神輿渡御を行います。また、数年に一度、氏子地域を廻る神輿渡御もいたします。
ちなみに去年の夏祭は、時期を前倒して5月末に神輿渡御を行いました。濱降神事では、山、街、海の3箇所の地域のみなさんに神輿を担いでいただく事に。山は那智神社、街は増田神社、海は湊神社の氏子さんたちに担いでいただき、まさに地域一体のお祭りとなりました。
今年は陰祭りであり、またコロナ禍の現状を考慮し、神輿渡御はなく御祈祷のみの夏祭となります。現在、社殿近くに「祈祷受付中」の掲示をしていますので、参加希望の方は事前のご予約をお願いしますね。氏子やなぎの会の方は3000円、その他の方は5000円となります。尚、日時は7月26日(日)午前11時からを予定しています。
羽黒飛龍大神は海にゆかりが深いことから、海上安全 大漁満足、身体健全 病気平癒に御神徳のある神様です。また、夏に流行る「夏弱」という疫病になったら私を崇めなさいというご神託を残しておられるので、この夏祭は「疫病退散の神事」として位置づけられています。夏越大祓につづき、時期を伺ったかの様な、神様の計らいを感じる夏祭。みなさんのご参加をお待ちしています!
執筆者
なぎの会HP管理人のacoです。香水づくりとWebライターとして日々奔走中の関西人。なぎの会の活動内容や神社の歴史をお伝えします。noteでは、好きなこと・日々のことを綴っています。
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