節分は大晦日?!厄祓いをして気持ちよく新年を迎えよう
お正月も過ぎ、あっという間に春風の予感を感じるこの頃。みなさま、お元気ですか?前回の記事から少し期間が空きましたが、お正月にはじまり節分、ひな祭りと日本らしい行事が目白押しのこの時期は、町が彩られ活気が出ますね。
冬の冬眠から目覚めて、気温も温かくなり春の訪れに心もふわっと軽く、明るくなります。関西では20度を記録する日もあり、梅から桜へと開花シーズンが移ろいでいます。
今年はもう終わってしまいましたが、今回は「節分」について取り上げます。立春との関係や豆まきの由来を知ると、現在のコロナという疫病退治にもつながるお話かと思います。とは言え、来年の節分までにはコロナが収まり大きな鬼が来ないことを祈ります。
実は年に4回も?節分の由来を知ろう
季節という節(フシ)を分けることを意味する節分。一般的に節分というと、2月初旬を思い浮かべる方が圧倒的に多いかと思います。しかし、節分は春夏秋冬のはじまり(立春、立夏、立秋、立冬)の前日を指すので、本来は1年の内4回もあるのです。昔の人は、季節の移り変わりを把握するため、こうした暦日を設けたんですね。
では、どうして2月の節分だけが今も特別な暦日として残っているのでしょうか?これは旧暦では立春がお正月とされていたため、その前日である節分は大晦日として位置づけられていたことに由来します。
1年の締めくくりの日である大晦日は、とても大事な節目の日ですよね。このように旧暦の名残であり、太陽暦の現在も立春(毎年2月4日頃)の前日である節分は特別な日として重要視されているのです。
節分は旧暦の大晦日!
さて、みなさん大晦日はどのようにして過ごされますか?家族でまったり過ごす方もいれば、ギリギリまで遠ざけてしまった大掃除に追われる方もいるかと思います。
年神様を迎えるため、しめ縄や門松、鏡餅を準備するのもいいですね。神社好きのみなさんならもうピンと来られたかと思いますが、このように大晦日は新しい年を迎えるための最後の祓いを行います。
実は、大晦日の祓い行事はたくさんあります。例えば、大晦日に入るお風呂は「年の湯」と呼ばれ、1年の汚れを洗い流す厄落としとされていました。昔はお湯をたっぷり使う入浴がとても贅沢なことだったので、年の湯は特別な行事でした。また、大掃除と違い大晦日に軽く掃除をすることを「掃き納め」といいます。
前置きが長くなりましたが、旧暦の大晦日であった節分も「祓う」ことに特化した行事であります。なので節分の恒例行事である「豆まき」もこうした邪気祓いの意味が込められています。
節分といえば豆まき!鬼と豆の関係って?
節分といえば豆まき。豆まきといえば「鬼」。でも、よく考えるとなぜ鬼に豆をまくことで邪気祓いになるのか気になりませんか?
怖くておどろしい者の代名詞ともいえる鬼。その起源は諸説ありますが、日本語の「隠(おぬ)」が転じて目に見えない存在=この世のものではい恐ろしいもの=災いをもたらすと、どんどん悪い方にイメージが定着してしまった背景が古くからあります。ちょっと同情しちゃいますね。
鬼に豆をまく風習は、中国の宮廷行事に由来します。豆まきではなく、「鬼遣(おにやらい)」や「追儺(ついな)」と呼ばれていたそうです。季節の変わり目であり、寒さの厳しい立春の前後は体調も崩しがち。そこで、病を鬼や厄神にたとえて払いの儀式としていたのです。
日本では室町時代から豆まきの風習ができたのですが、これは鬼の目を意味する「魔眼」を滅ぼす「魔滅(まめ」と豆をかけているのです。これも一つの言霊ですね。米、麦、ひえ、あわと並び五穀の一つである豆は、「穀霊」が宿るとされ古くからご神事に欠かせない食物とされています。
また、豆を煎ってできる「福豆」は、「魔眼を射る」に通じています。熊野那智神社では、「魔眼を射り滅ぼす」ことから節分当日は宮司さんが空に大きく矢を射ました。
「鬼は外!福は内!」の年にしよう
毎年節分になると、幼稚園や小学校で作った鬼のお面をかぶって下校している子どもたちが微笑ましく、また彼らによって季節の節目を教えられている筆者です。公家や武家の豆まきの風習は、庶民の間にも広まり邪気や厄を祓い新年の幸福を呼び込む行事として、現在まで受け継がれてきました。
去年から引き続き、疫病といえばコロナの現在ですが、節分でしっかり厄祓いした今年は明るい兆しが見えてくるのではないかと思います。みなさんにとって今年が「鬼は外!福は内!」の1年になりますように。
執筆者
なぎの会HP管理人のacoです。香水づくりとWebライターとして日々奔走中の関西人。なぎの会の活動内容や神社の歴史をお伝えします。もう春うららですが、みなさまあけましておめでとうございます!今年も神社やなぎの会の活動について綴っていくので、よろしくお願いします。最近サボってますが、よかったらnoteも遊びに来てくださいね!
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